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概要

news_no.99

2019年(令和元年)10月15日 一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース 第99号(7)女川町地域医療センターに併設されている病児病後児保育室”じょっこおながわ”について紹介した。この施設は被災地域に住む子育て世代のニーズから作られたものであるが、現在では崩壊した地域コミュニティーを再生する力ともなっている。子育てに関わる大人が子どもの代弁者となり主張していくことの重要性、また何かを実現させるときには行政との連携が重要となることが示された。 福島県の菊池 信太郎先生は、災害による生活環境の変化が子どもの体や心に大きな影響を与えることを示し、その対策として行っている様々な活動について紹介した。また震災後に病児・病後児保育室”らびっと”の利用者が増加し、その原因として被災による家族形態や経済状況の変化が子育て世代に大きく影響していると考察した。また災害後には子どもの居場所作りが大切であることを強調し、保育園はその一つとなることを皆で確認した。 質疑応答では災害超急性期の避難所の状況、医療が必要な子どもたちへの薬剤の備え等についての質問があった。会場は立ち見がでる程多くの人が参加し、活発な討議が行われ、災害の備えについて皆様の関心の高さが感じられた。報告者/座長:今野 友貴(女川町地域医療センター 病児病後児保育室 じょっこおながわ) シンポジウム「災害時の病児保育」は、初の東北開催となる本大会にふさわしいテーマで参加者の関心も高く、それぞれ立場や経験の異なるシンポジストから興味深い内容の報告を頂いた。 大槌保育園園長の八木澤弓美子先生からは、震災体験者として当時の詳細な記録をご提示いただいた。ご自身も辛い体験をされながら、いつでも子どもたちに寄り添い、一緒に生きる姿、その優しいまなざしに、会場全体が感動に包まれた。また震災直後、避難所での最初の数日間、保育者自身が「子どもたちに救われた」という言葉に、子どもたちが本来持つレジリエンスを感じた。子どもたちと一緒に悩み、一緒に泣き、笑い、一緒に成長し、一緒に生きる。まさに子育ての原点とも言える姿勢を学ばせていただいた。 女川町地域医療センター病児病後児保育室じょっこおながわの門真弘法先生からは、壊滅的な津波被害を受けた町で、”build back better”を目指し前に進む病児保育室の活動が報告された。東日本大震災の総括をふまえ、「今すべきことは何か」を、子どもたちの権利を守る立場として必要不可欠なアウトリーチ活動も含め具体的に示していただき、すぐに実践へとつながる有用な内容であった。 菊池医院 病児・病後児保育室らびっとの菊池信太郎先生からは、震災直後から現在に至るまでの、福島の子どもたちを取り巻く問題点をわかりやすくお話しいただいた。それはまさに日本の縮図であり、日本全体の子どもたちを取り巻く問題点が見える内容であった。病児保育の整備にとどまらず、子どもの遊び場作りなどの取り組みを通して、子どもたちの生きる環境を整え、子どもたちの生きる力を育む活動に感銘を受けた。また、クリニック内での活動だけでなく、保育所、学校など地域へ出て行く積極的かつ多岐にわたる活動は示唆に富むものであった。 先生は子どもの事故の研究における第一人者であり、小児科学会誌の「Injury Alert」で事故の解析や、子どもの事故に関する書籍の執筆、講演などをたくさんの仕事をなさっている。そのようなわけで僕にとって、先生の講演はこれまで何回も拝聴したことがあり、その中で座長を務めさせてもらったことは今回だけでな講師:山中 龍宏 先生(緑園こどもクリニック)       報告者/座長:荒井 宏治(あらいこどもクリニック 病児保育室きりん)保育管理下の傷害予防―変えられるものを見つけ、変えられるものを変える―い。先生の講演のすごいところは、題名はいつも同じなのに、内容は毎回違うことである。それは先生の活動が、方向は一貫していて、かつ進歩していることを意味する。 今回の講演で先生は子どもの傷害については、予防が大切であるとして、それには3E、すなわち「製品・教 育 講 演 1