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概要

news_no.99

(6)第99号 2019年(令和元年)10月15日シンポジウム 2一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース1.「抱っこの魅力と子育ての応援」三浦 義孝(日本保育保健協議会会長、みうら小児科) 保育園(所)は子どもの健全な発達を促し、安心・安全が保障される場であり、地域社会の子育てセンターの役割も担っている。1)保育園(所)で虐待の芽を見つけ、摘み取りましょう。2)“抱っこ”の魅力、「子ども好き」という感情を育てましょう。3)地域にサポートの場を広げましょう。4)子育て環境が様変わりしても、抱っこは「心の基地」2.「子ども食堂からできる誰もが安心して暮らせる山屋 理恵(NPO法人 インクルいわて 理事長) 東日本大震災を機にNPO法人を立ち上げ、活動開始。ビジョン:「家族の形に関わらず誰もが生き生きと暮らしていける包摂された社会の実現に向けて活動すること」 大震災をはじめ大きな社会変容や多様性の中で、これまでの家族の在り方や子育て環境の変化によって、「カタチ」に縛られて生きにくさを感じている子育て世帯も少なくない。ひとり親世帯の貧困率はOECD加盟国の中でワースト1。 子育ては家庭だけの問題ではなく、全ての人の未来と地域の問題と考えるべき。 「子ども食堂」を通じて、SOSを発し、誰かとつながり、孤立させない仕組みづくりの実践などを報告。3.子どもの貧困と子どもの家庭福祉櫻  幸恵(岩手県立大学 社会福祉学部 准教授) 「盛岡市ひとり親世帯の子どもの生活実態調査」では91.6%の母親が働いているのに、必要な医療の未受診23.2%、食料が買えていない47.4%、水光熱費の未払い27.3%、塾や習い事をしていない62.0%などの生活実態が明らかになった。子どもの貧困は一方的に「不利」「困難」を被り、子どもの「いま」と「未来」を脅かす。子ども支援は「子ども家庭福祉」の視座が必要。保育園が子どもの貧困対策のプラットホームとして社会資源と家庭を繋ぐネットワークを担えれば、親子のためだけでなく、地域の子育て支援機能の強化になる。報告者/座長:小野寺けい子(川久保病院 病児保育室虹っ子ケアルーム)会頭要望演題抱っこの魅力と子育ての応援~子育て環境が様変わりしても、抱っこは「心の基地」です~三浦 義孝 先生(日本保育保健協議会会長、みうら小児科) 虐待の早期発見、早期対応は重要な事であるとしながらも、社会的ハイリスク児の父母は親になる準備が十分にできていないことが多い、抱っこが心の基地であり、お母さんが「心の基地」になれば大丈夫と、豊富なスライドを使って説明されました。 これからの日本の子育ての環境の変化を考えると、個人が孤立しないような社会的な仕組みが必要であること、心の問題として「抱っこ」こそが「心の基地」になる事、ハード・ソフトの両面から「様変わりする子育て環境」について発表がされました。 東日本大震災から8年が過ぎたが、被災3県における発災から現在までの保育園、病児・病後児保育室の状況を紹介していただき、保育者の立場から見た災害の備えについて考えた。 岩手県の八木澤 弓美子先生は、大槌保育園における東日本大震災直後から現在に至る状況について示した。避難時の厳しい状況、その後津波ごっこをして遊ぶ子どもたちの様子と接し方への迷い、震災を振り返って話し出す子どもの言葉等考えさせられることの多い内容だった。災害後保育園の再開が、子どもたちにとって”普通の生活”に戻るための第一歩となることが再認識できた。 宮城県の門真 弘法先生は、震災5年後に開設された災害時の病児保育報告者/座長:渕向  透(岩手県立大船渡病院長)シンポジスト:八木澤弓美子 先生(大槌保育園 園長)      門真 弘法 先生(女川町地域医療センター 病児病後児保育室 じょっこおながわ)      菊池信太郎 先生(菊池医院 病児・病後児保育室らびっと)