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2019年(令和元年)10月15日 一般社団法人 全国病児保育協議会ニュース 第99号(17) 看護の語源・定義・要素・倫理といった看護の基礎知識を前文に、小児看護の目標と役割では「健康な状態に戻る」がゴールである事。子どもの看方を小児看護の視点から捉え、どのようなアプローチをすることで支援としての働きが見いだせるのか、病気に関する知識を得ることによる質の向上へのつながりと健康回復に必要な看護的援助段階を、事例の展開を通してお話しいただきました。 看護学展開の1段階:情報の整理では、観察のポイントを踏まえ、年齢に応じた援助や安心した保育を行うための視点として「子どもの様子への気づき」が大講師:今井 七重 氏(中部学院大学 看護リハビリテーション学部 看護学科) 報告者/座長:原 文子(社会福祉法人 惣栄会 ひよこ保育園 病後児保育室ひよこのいえ)病児・病後児保育における基礎看護切であること。 2段階:病気による心身への影響を整理するでは、測定の基本やそれぞれの症状に対してのポイントを押さえ、ひとりひとりに適切なケアを行い、不必要な体力の消耗を防ぐことで自然治癒力を高めていくことが病気の回復を早めることにつながること。 3段階:健康回復を促すための計画立案では、子どもは症状を自分の言葉で表現できないため、保育者は今置かれている子どもの状態が「良い状態」か「悪い状態」かを判断し、早期に気づき、看護師や医師に伝えることが急変への対処の始まりであること研修委員会主催セミナー 基礎研修(看護) 稲葉先生は東京都の公立保育園での保育士・園長職を経験し、豊島区役所管理職を経て、2014年開所の病後児保育施設が併設された今の園で園長として勤務したことを契機に、病児保育に関わっています。看護師・保育士との協働で、3名の定員受け入れを行なっている経験を基に、平成30年に施行された「保育所保育指針」「幼稚園教育要領」及び「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」の中で述べられている乳幼児期における保育についての捉え方を、病児に応用しながら説明してくださいました。 指針・要領の要点に沿った説明では、「健康」「人間関係」「環境」「言語」「表現」の5つの領域で保育の狙いと内容を基に、幼児教育の視点をより強く位置づけ、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の10項目を提示して、小学校への就学を意識した教育・保育の必要性が求められていることを確認しました。そして、保育の実際では、イメージしやすいように各年齢の特徴について写真を用いながらお話しして下さいました。 特に病児保育の保育形態については、「異年齢保育」と「少人数保育」に焦点を当てて、エピソードを交えながらお話しされました。「異年齢保育」では、たとえ一日だけであっても異年齢同士の遊びの体験というのは、考える力や思いやり、人とのコミュニケーション能力を育むため、この異年齢の良さを生かし、子ども一人ひとりの成長・発達に良い効果が得られるような保育を工夫することが大切である。「少人数保育」については、病児保育はそれぞれの疾病の種類や病状が異なるため、観察・隔離室の使用や安静の必要性などに配慮した保育が必要となる。そのため少人数の保育になることも多く、保育者の個別対応がより可能となり、精神的な安定に繋がって不安を乗り越えやすくなる。講義を通じて、保育形態(通常保育・病児保育)を問わず、質の高い保育提供が健全な子どもの育成に欠かせないという稲葉先生の思いが伝わってくる研修となりました。講師:稲葉 穂 先生(社会福祉法人 こうほうえん キッズタウンむかいはら保育園 園長)報告者/座長:宮本 知子(医療法人社団 健輝会 げんきキッズクリニック 病児保育 ドリーム) 保育の基本を学ぶ研修委員会主催セミナー 基礎研修(保育)